2012年5月18日金曜日

海辺の自然・インタープリター講座


「海辺の自然・インタープリター講座」というのをやっています。

大阪湾の水は昔と比べてかなりきれいになっているのですが、汚いと思いこまれているためになかなか海辺で遊ぶとか海の幸をいただくという気持ちになってもらえません。水がきれいになってきたというのは、流域の下水道が整備されたおかげです。でも私たちが目指している「里海」(さとうみ)というのは、地元の人が海で遊び、海で学び、海の幸をいただき、身近な海として大切にしていくという人と海との関係で、まだまだそういう状況は遠いのです。

 水がきれいになっても、埋め立てられた渚は元に戻ることはありません。でもわずかに残された自然の渚や人工的に作られた干潟など、人が海とふれあえる場所が、大阪湾にはほんの少しだけあります。その少しの場所にはそれぞれ特徴があり、それぞれに違った生き物、生態系があります。生き物たちの暮らしぶりも季節によって変化があり、「見ごろ」の時期はけっこう短かったりします。また、交通の不便な場所が多く、危険の多い場所でもあります。

 そんな「生き物とふれあえる渚」で楽しむには、「いつ」「どこに」行くかが大切です。また、慣れないフィールドで楽しむには、多少慣れた人に連れて行ってもらうのが理想で、そこで必要なのは生き物に関する専門的な知識よりも、観察会の運営ノウハウであると思っています。季節の移り変わりと潮の満ち引きを考えあわせ、より楽しく、より学びのあるフィールド体験を提供したいと思います。

 これまで16年間、「海の観察会」というグループで、自然観察会を繰り返してきました。初めの頃は、1回の観察会のために、2回以上の下見と5回以上の打合せをしていたこともありましたが、今では慣れたフィールドでは下見1回、打合せ1回で実施しています。当初は磯の観察会だけでしたが、少しずつプログラムを増やし、今では年に7回にまで増えてきています。でも、海のプログラムは、寒い上に潮の引かない冬場はほとんどできないため、4月から10月の間で、しかも潮の引く日だけで、下見も組み込んでとなると、もうこれ以上の回数は無理という気がしています。

  →海の観察会

それで昨年度、堺2区の観察会を立ち上げるにあたって、別のグループとしてスタートしてみました。メンバーはけっこう重なっていますが、何とか2つのグループで2年目を迎えています。堺2区の方では年3回の観察会をしています。

保全協会にはそれら2グループを含め、大小15ほどの観察会グループがあります。他のグループはいずれも里山や都市公園、河川等をフィールドにしており、海辺ではありません。私の思いとしては、陸の観察会と同じくらいに海辺の観察会を増やしていきたいのです。そのためには観察会グループを率いていけるようなリーダー的なスタッフを養成していく必要があります。

とはいえ、私の勤務の関係で、土日にはこれ以上休めそうになく、今年度は平日の活動をスタートすることにしました。それで「海辺の自然・インタープリター講座~平日コース」を始めました。残念ながら助成金獲得には失敗し、お金をかけずに細々とすることにはなりましたが、新たな観察会グループを作るための勉強をしていきたいと思っています。

それで517日に平日コースの第1回があったのでその報告をしようと思ったのですが、前置きばかり長くなってしまったので、とりあえずインプリ講座のいきさつ紹介ということにしておきます。報告をお楽しみに。

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